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2013年10月のアーカイブ

遅発型フードアレルギーの存在をご存知ですか?

現在、日本の医療機関で行われている食物アレルギー検査はIgE依存性反応の1種類だけです。
しかし、欧州アレルギー・臨床免疫学会(EAACI)においては、「食物アレルギーとは食物に対する免疫反応であり、その中にはIgE依存性反応と非IgE依存性反応の2つがある。そして、非IgE依存性反応においてはIgG抗体、IgA抗体及び免疫複合体が重要な位置を占めている。」というように考えられています。
典型的なIgE依存性反応(即時型過敏性反応)は暴露後すぐに起こります。
多くの場合、これらの反応は急激なものであるため、誘発食物と症状との関連は分かりやすいです。
このタイプの反応として一般的なものには、蕁麻疹、腫れ、急性胃腸障害、口腔アレルギー症候群に伴う症状、急性喘息発作などがあります。
一方、非IgE依存性反応による症状の発現は多くの場合、抗原への暴露から数時間から数日後に起こります。
このため、このような反応は遅延型過敏性反応と呼ばれます。
遅延反応にはIgGやIgAなどの抗体や、抗原と抗体によって形成される免疫複合体が関係している可能性があります。
遅延型反応による症状の認識には困難を伴うことがあります。
それは、症状が軽度であったり慢性的なものがあることが多く、体内のあらゆる部位または器官に発症するためです。
また、症状の発現が遅いため、症状と誘発食物との関連を見つけることも難しく、非IgE依存性の免疫反応が臨床的関連の面からは十分に正しく評価されないことも多々あります。
食物に対するIgGまたはIgA抗体に関連する健康状態の中で、すでに広く研究が行われているセリアック病やグルテン過敏症との関係はよく知られています。
例えば、小麦グリジアンに対する血清IgAの選択的増加は、腸粘膜に影響が見られるセリアック病、クローン病、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎などの多くの疾患に見られます。
食物特異性IgGは、過敏性大腸炎(IRB)、アテローム性動脈硬化症、関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、肥満、その他多くの疾患に関与しています。

遅延型食物アレルギーと関係が疑われる疾患は?

消化器系:便秘、下痢、消化不良、腹痛、吐き気、過敏性腸症候群、満腹感 etc

精神神経症状:不安神経症、頭痛、情緒不安定、うつ、頭が重い、集中力不足、etc

皮膚症状:アトピー性皮膚炎、にきび、ふけ、肌荒れ、多汗 etc

呼吸器系:鼻水、鼻づまり、慢性副鼻腔炎 etc

泌尿生殖器系:頻尿、尿意切迫、夜尿症(小児)、月経前緊張症候群、おりもの etc

筋骨格系:筋肉痛、関節痛、関節炎、関節リウマチ、etc

その他:不整脈、慢性疲労、倦怠感、口内炎、むくみ、体重増加、眠気、etc

対処法は?

採血した血液をアメリカのUSバイオテック研究所に送り、ELISA法を用いて食物に対する特異的IgE、 IgG、IgA抗体の上昇を特定します。そしてその検査結果によって食物除去プロトコールを作ります。
①    検査でアレルギーレベルⅢ以上と判定された食品は、半年間摂らないようにします。
②    卵や乳製品は、いろいろな料理や食品に使われているので、卵、乳製品そのものだけでなく、
       さまざまな食べ物の成分表示に注意して下さい。
③    和食にすると、比較的アレルゲン除去がスムーズとなります。
④    1人だけでアレルゲン除去に取り組まないで、家族や友人など協力者がいたほうがいいです。
⑤    アレルゲンと判定された食品を摂らない以外に、消化吸収を良くする努力が必要です。
⑥    半年間、アレルゲン除去をして、再検査で改善がみられれば、その食品も少しずつ食べられる
       ようになります。

体験談コーナー

以下に7人の体験談を紹介します。(太陽笑顔fufufu..2012vol.8参照)
※イニシャルをクリックすると体験談が見れます。

1.E.Sさん(46歳・女性)

2.I.Tさん(27歳・男性)

3.T.Yさん(43歳・女性)

4.T.Hさん(68歳・女性)

5.Y・Uさん(女性)とのQ&A(US BioTek日本正規代理店アンブロシア株式会社パンフ参照)

6.M.Mさん(14歳・女性)とのQ&A(US BioTek日本正規代理店アンブロシア株式会社パンフ参照)

7.M.Sさん(10歳・男性)とのQ&A(US BioTek日本正規代理店アンブロシア株式会社パンフ参照)

結論

当院では今のところ遅発型フードアレルギーは、アトピー性皮膚炎の方にしか実施しておりません。
しかし、上記の体験者の声や海外で著功例が報告されている例を見ると、アトピー以外の慢性疾患にもこの遅発型フードアレルギー検査は有効のようです。
当院のHPを読んでくれている皆さんの中で、原因不明の慢性疾患でお悩みの方は是非ともこの検査を受けてみて下さい。皆さんが気になる価格ですが、当院ではIgG+IgEが31700円、IgG単独は23760円、IgA単独21000円です。この価格が高いと思う方は、東京のクリニック数件のHPを開いてIgG検査がいくらで実施されているかお調べ下さい。東京都内では、IgG検査だけで52500円が相場です。
当院では、この遅発型フードアレルギー検査を実施することで、1人でも多くの方が救われることを願っているため、他院と比べて安価で検査を行っています。今後もこの低価格を維持する覚悟ですので、自分の疾患に何かの食べ物が関係しているかもしれないと疑っている方は、是非ともIgG+IgE(31700円)検査をお受け下さい。

文責

谷口雄一

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