東大発のバイオベンチャー企業~(株)ユーグレナ

バイオベンチャー事業を展開する(株)ユーグレナ(東京都文京区)では、微細藻類『ユーグレナ(学名:Euglena、和名:ミドリムシ)』のOEMおよび末端製品の販売を展開する。

  ユーグレナは鞭毛による運動と、葉緑体を持ち光合成が可能。β-1,3-グルカン高分子体である有効成分「パラミロン」を主成分に、運動性を有する細胞壁 ビタミンC・Eを豊富に含み、吸収率も高い。当初は安定生産が難しいとされていたが、同社と東京大学、大阪府立大学、八重山殖産(株)などと共同で、太陽 光と二酸化炭素、海水ミネラルを使った独自培養法(特許取得)により、年間50トンの安定生産ができるようになっている。

 機能性については、免疫関連をはじめ肝臓損傷防御、コレステロール吸収抑制など多数揃えている。最近の研究成果では、鳥取大学との共同研究でアト ピー性皮膚炎誘発物質を塗布したNC / NGAマウスに通常の餌、Prednisolone(医薬品)、ユーグレナを投与したところ、Positive Control 群では全てのマウスが皮膚病変を示し、Negative Control 群では病変を示さず、パラミロン摂取群では病態緩和が認められた。また感作後53日目に血清総lgE量を測定した結果、パラミロン摂取群では PositiveControl群との比較で血清総I g E 量が有意に減少していることが確認された。パラミロンがアトピー性皮膚炎症状を緩和し、代替医療素材としての有効性を確認。同社では食品用途をはじめ、化 粧品、飼料、バイオ原料としての利用できる。事業開始以来、年々業績を伸ばしており、「テレビなどの各メディアで紹介されたことや、有名なダイニングバー のコース料理に採用されたことなどで認知が高まり、引き合いが急増した」と同社は話す。今後は「ユーグレナピュア」のリニューアルを予定しており、さらに 拡販を図るとしている。