●「馬油」でうすめるとぬりやすい
タイツコウ軟膏を患部に直接ぬるとき、注意していてもついつい力が入ってしまいます。
また、ガーゼにのせるときでも、アトピー性皮膚炎のように患部が大きいと、広範囲にのばすのが大変です。
そこで、タイツコウ軟膏を広い範囲にのばして用いるときには、馬油(皮膚保護剤)でうすめて使う方法をお勧めします。
少し多めの馬油にタイツコウ軟膏を混ぜ合わせると、のびがよくなり、かなり使いやすくなります。
馬油にも皮膚疾患を解消する作用がありますので、併せて使えば効果のパワーアップがのぞめます。
なお、タイツコウ軟膏と馬油の配合比率は、自分の使いやすい程度で結構です。
●においは「プロポリス」で解消
タイツコウ軟膏の欠点として、カレー臭に似た独特のにおいを指摘する人がいます。
なかには、そのにおいを嫌って使用をストップしてしまう人もいます。タイツコウ軟膏の効果を考えれば、非常に残念なことです。
わたくしの診療所では、そうしたケースについては、プロポリス(ミツバチが樹脂や花粉などからつくりだす膠に似た物質で、豊富な栄養素をもつ)との併用を勧めています。
タイツコウ軟膏にプロポリスをまぜると、プロポリスのにおいで少しにおいが和らぐのです。
プロポリスも皮膚疾患に有効作用しますから、一石二鳥というわけ。ぜひお試しください。
●プロフィール
木下繁太郎
(きのしたしげたろう)
医学博士
1925年東京都生まれ。52年
慈恵医大卒業。岐阜大学助
教授、昭和医大助教授を経
て、現在中央医療生協(鉄
砲洲診療所、箱崎診療所)名誉理事長。アロエをはじめ
薬草の研究に取り組み、数々の漢方関連書を執筆。主な
著書に「第2版臨床医の漢方」(医歯薬出版)など多数あ
り、健康雑誌等ても活躍中。
ふるさと文庫既刊『一家に一鉢アロエはわが家の救急箱』
ふるさと文庫既刊『ぬるだけで驚くほど効く馬油』