神戸の吉岡事務所では「赤ちゃんのアトピー予防アンケート調査」というものを行っています。 調査の対象となる方は「既に母子健康手帳が発行されている妊婦の方で、まだ出産されていない方(プレママ)」です。調査にご協力いただく皆さんは、できる だけこれから述べるアトピー予防の3原則に沿って赤ちゃんを産み、育てるよう心がけてください。そうすれば皆さんの赤ちゃんがアトピーになる確率は一般よ り小さくなるでしょう。そのデータを集めるのが調査の目的です。調査の方法は「あなたのお子さんは医師によってアトピーと診断されたことがありますか?」 というアンケートを1回(生後1歳のとき)お聞きするだけです。募集人数は約1000人です。協力してくださる方には吉岡事務所より2400円相当分の塩 素中和入浴剤のプレゼントがあります。当院の妊婦さんで本人がアトピー性皮膚炎の方には申し込み用紙を差し上げて調査に参加してもらっています。それでは 赤ちゃんのアトピー予防の3原則について述べたいと思いますが、最初に赤ちゃんはどんな環境でアトピーになるのかを考えたいと思います。吉岡事務所では赤 ちゃんをアトピーにしてしまう環境として次のような3段階の構造を考えています。
第1段階 体外の原因としての「塩素と合成洗剤」

第2段階 体内の原因としての「栄養失調」

第3段階 治療行為による「薬害」
上に述べた3段階の構造を予防することが赤ちゃんのアトピー予防の3原則となります。
第1段階の予防
赤ちゃんの皮膚を無用に化学毒にさらさないために、水道水の塩素は中和してから沐浴させ(そばで大人が使うシャワーも脱塩素すること)、髪や体を洗うのも ベビーシャンプーなどの合成洗剤ではなく、普通の固形石鹸を使いましょう。
第2段階の予防
妊娠、授乳期には、牛豚鶏肉や牛乳・卵などの動物性脂肪・たんぱく質やマーガリンなどの悪い脂肪酸を減らし、野菜・穀物・大豆・海藻・青魚などを多くとっ て、ビタミン・ミネラル・よい脂肪酸をしっかり摂取しましょう。健康食品などで補うのもよい方法です。皮膚の新陳代謝や免疫系の制御には、ミネラルのうち でも特に亜鉛が大切です。妊娠中の赤ちゃんの成長には亜鉛が必要で、亜鉛がたくさん消費され、妊婦は亜鉛不足になりがちです。亜鉛はまた、体内に入ってき た毒素を解毒するために必要なミネラルです。食品添加物、残留農薬、飲み薬など、現代は気をつけていても毒素が体に入りやすい時代です。何も気にせずこれ らの毒物を日常的に摂取していれば、それを解毒しようとして亜鉛は肝臓でどんどん使われ、体内の亜鉛は極端に不足してきます。以前のトピックスで亜鉛を取 り上げましたが、妊娠中のかたには亜鉛のサプリメントを特にお薦め致します。
第3段階の予防
それでも赤ちゃんには湿疹ができます。赤ちゃんの皮膚が空気や水や光、衣類や虫などに始めて触れて「つきあい方」を学んでいるところだからです。そんな時 でも安易に強い薬(ステロイドは厚生省が劇薬に指定しています)に頼らず、赤ちゃんが自力で学習し、回復するのを助けてあげるようにしましょう。
上記の予防3原則を守れる方はぜひともこのアンケート調査にご協力ください。
エントリー用紙は当院にありますので、やってみたいと思うかたは当院窓口にてエントリー用紙を受け取ってから吉岡事務所にご登録ください。今までにこのプ ロジェクトに参加された方のアトピーの発症率はゼロパーセントであるという驚異的な数字を2002年8月現在において更新中です。
~略歴~
1971年
京大工学部 原子核工学科卒
1974年
京大 化学研究所大学院修了
同年 重工業メーカー勤務 技術開発
1985年
ドイツ系技術コンサルティング会社
滞米、滞独
1993年
家族のアトピー体験を通じて
「アトピーの塩素仮説」を発表
健康の理工学を考える吉岡事務所を 
設立し、健康について執筆講演活動、
1994年
日本皮膚科学会分科会で特別講演
1999年
「アトピー解決篇」を出版
著者:吉岡英介
吉岡英介著
鳥影社刊 1680円