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2014年7月のアーカイブ

テストステロンのマンスリートーク!

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Ⅰ.男性ホルモン低下が原因のうつ・メタボ・糖尿病・認知症について!

英語でテストステロンと呼ばれる男性ホルモンは、一般的な男の生理だけでなく、男としての全体的な各種生理機能をコントロールしています。いわば「男」という交響楽団の指揮者のような役割を果たしており、車でいえばエンジン・オイル的な意義を持っています。
そのため、テストステロンが、ストレスや加齢で低下してくると、色々な男性健康医学上の問題が発症します。
例えば、更年期によく知られている男性更年期症状やうつ症状は、男性ホルモンが低下することにより起こされます。
さらに熟年期になると内臓脂肪肥満が起こり、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞が起きたり、またインスリン抵抗性が高まり、メタボリック症候群や2型糖尿病が発症したりします。
そして長寿期になると認知症・アルツハイマー病にもつながるし、ロコモティブ症候群も起こってきます。
まさにテストステロンというホルモンは、多種多様な中高男性に見られる臨床的問題を引き起こしているのです。
医学界の中において男性ホルモン学や男性医学の発展は女性医学に比してかなり遅れていたため、上記の各種症状発症の裏に、実はこのテストステロン低下があることが、今まではあまり気付かれませんでした。しかし、今後は女性の綜合医療のみでなく、男性の綜合医療も必須な時代になって来ているのです。
21世紀に入り、中高年男性の医学に光明が差しこまれ、この新しい医学分野に関心が持たれるようになってきました。
このことが、最近弱くなってきたと言われる中高年男性方を元気にする福音となりえることは間違いありません。
これら臨床症状の改善には、男性ホルモン補充(テストステロンの注射があります。)がかなり有効で、その臨床治験が国際的に多数始まっています。

Ⅱ.熟年女性にも男性ホルモンの補充が有効!

女性ホルモンは内的生理のホルモン、男性ホルモンは外的生理のホルモンです。
そのため、男女ともに、その両者を持って成人期の活力を維持しています。 
ただ、その体内での両者の割合(Estrogen対Androgen比)に、男女の大きな性差があり、それが男女の生理の違いを創り出しています。
女性も元気の源としては男性ホルモンの存在が重要であると良く知られています。
社会的に活発に活躍している女性はテストステロンが高値であることは今までも知られていました。
 また、母体の羊水の中で生活している胎児期に、女児でもある程度の男性ホルモンのシャワーを浴びていますが、その量の多い女性の手の“人指し指/薬指の比”は小さく、元気・活発であると言う知見も既に知られています。
さらに、更年期後の女性は、女性ホルモンが急激に減少しますが、男性ホルモンは若い年代に近いレベルで維持されているので、Estrogen対Androgen比が変化した結果として、かなり気が強くなる訳です。
ただ、中には男性ホルモンも同時に低下する卵巣機能低下を起こす症例もかなりあり、それで虚弱症候群になっている方には、男性ホルモンが補充されると顕著に症状が改善されるということが明らかになっています。
いわゆるHRT(女性ホルモン補充療法)における女性ホルモンは、血液凝固作用などの副作用が問題視されている現在、更年期後の女性方へも男性ホルモン補充(プリモジアンデポーetc)が薦められてきており、その結果として本人自身が驚くほど元気になっています。
いったん投与を開始すると、患者が投与を止めたがらないので、多くの産婦人科医の間では“麻薬みたいですね”などとひそかに語られています。
社会的に中高年女性が活躍すべき新しい21世紀医学としては、女性でも男性ホルモンの測定をして低値が証明された場合(最後に参考値あり)は男性ホルモン補充療法を検討すべきではないかと考えます。

【参考値】

・更年期女性のテストステロンの目標値→30~100ng/dl
・更年期男性のテストステロンの目標値→225~1030ng/dl
・更年期男性の遊離テストステロンの目標値→8~16pg/ml
・更年期女性のDHEA-Sの目標値→150~250 μg/dl
・更年期男性のDHEA-Sの目標値→150~250 μg/dl

文責
谷口雄一

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