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アトピー完治法(2013年版)
- 2013年7月15日 12:29 AM
- アトピー完治法(2013年版)
昨年7月にアトピー完治法(2012年版)を書いてから早くも1年が経過してしまいました。また、内容を更新しなければならない時期が来たため、今月のマンスリートークでは当院がいま行っている最新の2013年版アトピー完治法を公開致します。
プラセンタ療法、神仙太乙膏、 高濃度ビタミンC点滴、プロポリス、プロポリスペースト 、プロポリス入浴剤、8時間保湿効果のあるワセリン(DR-X)、そして食物アレルギーの遅延型反応の検査(血液のIgG検査)については昨年同様実施していますが、この1年で「活性酸素を減らすもの」が数種類増えました。また尿から活性酸素レベルを5分で測定できるようになりました。活性酸素に関する内容は、今年の3月と6月のマンスリートークで水素を含んだ入浴剤や飲む水素水について説明してあります。
また当院では大人のアトピー患者さんが、ステロイドなしの治療を望んで来院される場合は、3年前に取り入れたアメリカタホマクリニックのジョナサンライト博士の栄養療法を指導しています。
ジョナサンライト博士の治療内容については以前のマンスリートーク(2010年7月、8月、9月)に詳しく書いてありますが、簡単に述べるとELISA試験(食物アレルギーのIgG検査のこと)という血液検査で原因物質を特定し、この検査で陽性に出たものをすべて除去しながらビタミンA, ビタミンC, ビタミンE,亜鉛、ボラージュの5種類のサプリメントや腸内細菌の質を高めるプロバイオティクスを摂取するという治療方法です。
今年の2月に当院の患者さんたちの経過をみていて偶然分かったのですが、上記の5種類のサプリメントにビタミンDを追加すると痒みの改善が早いようです。それは、2月のマンスリートークに書きましたが、花粉症のひどい方にビタミンDを使い始めたところ、もともとアトピーのあった方では、花粉症が改善しただけでなく、痒みの減少も顕著に認められたのです。理想を言えば、血中ビタミンDを測定して低下が認められる方にのみビタミンDを服用してもらうということになるのですが、この測定は保険適応がなく約8000円かかります。いま当院で使っているナチュメディカのビタミンDは120粒入りで税込み4830円ですから、この検査費用とサプリメント価格のバランスを考えると、検査にかける費用をパスして内服を始めることをお薦めします。
また、アトピー改善のためにはビタミンCが一番重要と前から書いてきましたが、これは相変わらず必須です。
ステロイドなしの治療を求める患者さんが来た場合、初診時に迅速尿中ビタミンC検査(VitaChek-C)を実施して、本人の体内ビタミンCがいかに低いかを実感してもらっています。そしてジョナサンライト博士が使用しているPURE社のビタミンCサプリメントを1日に5個摂取してもらいます。これは日本のシナールならば25袋分に相当する大量です。尿中ビタミンCが最低に近い方には、さらに日本製のPro Vita C というものも追加します。この日本製の Pro Vita Cは非常にゆっくりと体に吸収されるという特徴があるので1日2袋で十分です。体内のビタミンC濃度を高める手段としては、高濃度ビタミンC点滴がベストなのですが、この点滴は1回1時間近くかかるため、忙しい皆さんが頻繁に受けるのは難しいと思います。それに代わる方法として当院ではPURE社のビタミンCと日本製のPro Vita Cの併用をお薦めしています。この両方を摂取しても、高額ではないので、長く続けるのは可能だと思います。
ここからあとの文章では2012年版が少しずつ修正されています。
1. 「活性酸素を減らすもの=抗酸化物質」は出来る限り多めに摂取しましょう。
体が錆びつくことを酸化といいます。その反対を還元といいます。すなわち還元とは酸化した細胞をもとに戻し、病気体質を健康体に直すことです。還元力のある水を毎日多量に飲むと体のなかの活性酸素を減らすことが出来ます。いまTBSのはなまるマーケットや週刊文春で特集を組んでいる水素水は、まさに還元水の代表です。水素水については、2013年3月と6月のマンスリートークをお読み下さい。活性酸素を減らすサプリメントとしてお茶の成分であるエピガロカテキンガレート、珪素を含むマジックライト、水素を放出するメガハイドレートetcがありますが、毎月の出費を考えると割高です。6月のマンスリートークで紹介している新鮮水素水という機械を購入するのと、上記の3種類のサプリメントを毎月購入する場合の1年間の出費を考えただけでもどちらが得かすぐ分かりますが、新鮮水素水という機械は1度購入すると半永久的に使えて、出費は携帯電話でも使っているバッテリー交換だけというのですから、どちらが得かについての説明は必要ないですよね。
ちなみに、エピガロカテキンガレートは16日分で3100円、マジックライトは24日分で5000円、メガハイドレートは30日分で3500円前後です。すでに前半で1度書きましたが、今年の5月から尿中活性酸素レベルが5分で測定出来るようになりました。それに関してはマンスリートーク6月の後半をお読み下さい。
2. 腸内環境を整えましょう。
最近、健康雑誌では腸内フローラという言葉がよく聞かれます。その腸内フローラの状態を調べるのが腸内環境検査です。当院では平成11年頃から金沢のアトポスという機関の代表である赤嶺福海氏と協力してアトピーの方の善玉菌の数を測定したり、その方に合ったオーダー乳酸菌というものを提供したりしていました。しかしその頃はあまりにも時代に先走りしすぎていて、一般の方の理解を得られなかったことと、便検査の煩雑さから希望者も少なかったこともあり、しばらく便検査をやめていました。しかし、ここに来て抗加齢医学会などで急速に腸内環境検査がブームとなってきたため、再び腸内環境検査を始めることにしました。この検査は以前は「便が取れたら夜中でもすぐにクール宅急便で送らねばならない。」という面倒なものだったのですが、最近は技術の進歩もあり室温保存が可能になりました。また検査結果も平成11年頃よりは随分と詳しくなっているので、重症アトピーの方なら検査する価値は十分にあると思います。
腸の中の善玉菌を増やすことはアトピーだけでなく生活習慣病すべてに有効です。善玉菌の栄養素としては、フラクトオリゴ糖、ビートオリゴ、乳酸菌生産物質(ビオネ、始元)などがあります。その中で一番即効性のあるものは乳酸菌生産物質ですが、値段がやや高額です。アメリカではPURE社etcのプロバイオティクスというサプリメントが使われていますが、これらは1日120円程度なので無理のない価格です。健康保険適用があって腸内環境を改善するものとしては、ビオフェルミン、ビオチン、ミヤBM, ラックビーetcがありますが、いずれも保険外のものほどの効果は期待出来ません。
3. ミネラル(主に亜鉛)やビタミンを補充しましょう。
これについてはジョナサンライト博士の提唱する量を見本としています。ビタミンCに関してはこの2013年版完治法の前半に書いてあります。ビタミンA, ビタミンE,亜鉛、ボラージュの量や何故それらが必要なのかに関しては2010年9月のマンスリートークの中に詳しく書かれています。皮膚症状改善のためには血液中の亜鉛濃度が100mg/dl以上になることを目標にしています。
当院では大人用と子供用の亜鉛粉末(大人用は1包に亜鉛45mg、子供用は1包に亜鉛15mg)を作っていますが、大人用にはマグネシウムと銅も含まれています。またプロマックという胃潰瘍のクスリ(亜鉛15mg含有)はなめると溶ける錠剤なので粉が飲めない方でも服用可能です。それから、どうしても粉末が飲めないという方も意外と多いので、そのような方にはPURE社やナチュメディカの亜鉛(1つで亜鉛30mg含有)を薦めています。ジョナサンライト博士は使用していないのですが、花粉症に有効なビタミンDがアトピーの痒み軽減にも有効であることが今年分かったことは前半で書きました。
4. 塩素の害から体を守りましょう。
水道水に多量の塩素が入っていることはご存知だと思います。アトピーを治すためにはこの塩素の害を除くことが必須です。飲み水の塩素を除くのはもちろんですが、風呂の湯やシャワーのかけ湯でも塩素を除く努力が必要です。塩素を無害化する入浴剤としてはミセルというものがあります。しかし、これは香りが全くしないため、入れていても面白くないという声が多々ありました。そこで2012年からは塩素の害を防げると同時に香りも楽しめるプロポリス入浴剤とひばの湯の2種類をお薦めしています。また、脱塩素とは直接関係ありませんが、マンスリートーク2013年3月の未来入浴剤も入浴剤としては素晴らしい商品です。
5.汗のかきやすい体にしましょう。
遠赤外線サウナを使って発汗能力を高めると、結果として皮脂腺が開いて皮脂の分泌能力が上がります。アトピーの人は皮脂の分泌能力が極端に劣っているため乾燥肌となっているのです。1年間遠赤外線サウナ(1週間に2~3回以上が望ましい)をやると皮膚はずいぶん改善します。当院には体用の遠赤外線サウナ(スマーティ)が設置されています。また、4番の中で紹介した未来入浴剤を入れた風呂に長くつかるのも大変いいと思います。
6.自律神経のバランスを保ちましょう。
当院の皮膚科に設置されている磁気治療器や点滴室にあるマイナスイオン治療器はこのための機器です。今年の5月からはオルゴール療法も始めました。オルゴール療法については2012年6月のマンスリートークをお読み下さい。昨年から、磁気治療器による著功例が当院以外でもかなり出ています。
7. スキンケアはなるべく水性のものや自然のものを使いましょう。
ワセリンや尿素軟膏は油性ですので皮脂腺をふさいでしまいます。それゆえ当院ではスキンケアとして水性のゲルクリーム(エバメール)を薦めています。このゲルクリームは皮脂腺をふさぐことなく新陳代謝を高めて皮脂からの分泌能力を増加する作用があります。それ以外に当院でスキンケアとして使われるものには下記のものがあります。
保湿剤としては、粒子が細かくべたつきがないのに保湿効果が8時間も持続するというナノ粒子化ワセリン(DR-X)。 また痒みに対しては漢方の外用薬である神仙太乙膏、プロポリスペーストが中心です。神仙太乙膏の本を書かれている木下繁太朗先生は著書の中で神仙太乙膏,馬油,プロポリスの3つを混ぜた合剤を薦めています。当院のプロポリスペーストには馬油と蜜蝋が含まれているため、神仙太乙膏にプロポリスペーストを混ぜると、結果として木下繁太朗先生ご推薦の3種類混合の軟膏になります。
ここまでに書いたこと以外にも皮膚のぶどう球菌消毒のためにpH2.7の超酸性水を使ったりもします。
初めから4行目に述べたプラセンタ注射は東京の吉田クリニックやRサイエンスクリニック広尾の日比野佐和子先生が行っている治療法ですが、成人ですと週に1回~2回注射すると効果がみられます。高濃度ビタミンC点滴はアメリカでは主にガンに対して行われていた治療法ですが、今ではガン以外のアトピーやうつ病etcにも行われています。当院でも希望者には約1時間かけて25gのビタミンCを投与しています。外用プロポリスについては既に述べましたが、飲むプロポリスも痒みの軽減がみられ、またプロポリスで作られた入浴剤はユーカリの香りがしてアロマ浴の効果もあると同時に皮膚の殺菌効果があります。
平成22年春から極細の針で瀉血を行うと同時にプハン治療を始めました。プハンはプハン普及会の望月佐知子氏から指導を受けて始めました。瀉血+プハン治療は特殊なハリを使うため医師以外は実施出来ませんが、瀉血なしのプハンだけなら皆さんでも自宅で実施出来ますので、数年来の重症の方にはぜひとも試して欲しい治療法です。プハンを毎日やっていると、約3ヶ月ほどで明らかな改善が見られます。
また、漢方治療としては4つのクスリを主に使っています。1つは、大阪市立大皮膚科で難治性アトピーに有効であることが実証された補中益気湯、もう1つは痒みに効くだけでなく自律神経失調症や不眠症にも使われる高砂サフラン、3つめは脱ステロイドの経過を短縮してくれる十全大補湯、そして4つめは大阪大学の漢方医学寄付講座でよく使われる白虎加人参湯です。高砂サフランは、この完治法の6番に書いてある自律神経のバランスを整えるという意味から、今後はアトピー性皮膚炎に使われる機会が増えそうです。
食物アレルギーに関しては、日本の保険診療の範囲では今でも即時型のIgE検査しか出来ません。
この検査は食事直後に出る蕁麻疹の原因物質をみつけるのには有効なのですが、数日たってから痒みや発疹etcを起している食べ物があったとしても、それを探し当てることは出来ません。よって、アトピーのように食べてから数日後に痒みや発疹etcを起こしている原因物質をみつけるためには、遅延型反応を調べられるアメリカのIgG検査が必須です。この検査は日本では出来ないため、アメリカの施設に血液を送らなければなりません。当然、日本の健康保険は効きませんから、価格はIgGだけで約23760円、IgGとIgE両方を依頼すると約31700円かかります。
しかし、何年もアトピーで苦しんでいて日本の検査で全く原因が見つからない方は、1度は調べる価値のある検査です。2012年春にロート製薬からこの検査に関する分かりやすい小冊子が出ました。
当院は真剣にステロイド離脱に取り組む方には出来るだけのお手伝いをしたいと思っています。しかし、ステロイド離脱は簡単なものではないので、本人が自分から努力しないと駄目です。「ステロイド治療を続けるか、脱ステロイドを始めた方がいいかは先生に決めてもらう!」などという方が時々いらっしゃいますが、私はそのような方にはそれまで通りのステロイド治療を薦めることにしています。何故なら、そんな考えでは脱ステロイドを達成するのは不可能だからです。他人任せ、病院任せにしないで、「自分の力で自分の体を治すぞ。」という強い意志を持って日々努力しないと脱ステロイドは途中でギブアップします。本人の強い決意と努力があれば、神様はその頑張りを必ず見てくれていますので、いつかは報われる日は必ずやって来ます。当院では、そのような方々に出来る限りの応援をしています。
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